乳酸菌1073R-1株試験結果(1)
乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルトの摂取により、風邪罹患リスクの低減やNK活性の増強を確認(2005年~2007年実施・高齢者を対象としたヒト試験)
山形県舟形町に住む69~80歳の健康な高齢者57名と、佐賀県有田町に住む59~84歳の健康な高齢者85名を対象にして乳酸菌の免疫システムへの働きを調べました。どちらの地域も2つの群に分けて調査しました。一つは乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルトを1日90g食べる群。もう一つは牛乳を1日100ml飲む群です。舟形町では8週間、有田町では12週間継続して食べてもらい、体調や免疫の変化を比較しました。すると、どちらの地域でも、乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルトを食べた群では、加齢に伴い低下するT細胞増殖能が、有意(※1)に上昇しました。また、乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルトを食べた群ではどちらの地域でも、食べる前にNK活性が低かったグループにおいて、その活性が有意に上昇しました。また、風邪罹患リスクの低減も確認できました。牛乳を飲んだ群の風邪をひくリスクを1としたときに、乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルトを食べた群は、有田町では0.44、舟形町では0.29、2つを統合して分析すると、0.39とリスクが大きく減少したのです。
なお、有田試験では獲得免疫についても評価した結果、特定のウィルスや細菌の働きを抑える機能を持つT細胞が活性化していることも確認された。
※1 統計学的にその効果が認められること。一般的に危険率p<0.05(100回データを採り、違う結果となる可能性が5%未満であること)のもので、今回も同様とした。
ヒト試験で風邪の罹患リスク低減を確認
乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルトにより、NK活性が増強され、風邪の罹患リスクが低減した。

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※メタ解析は有田試験と舟形試験の結果を統合し、Mantel-Haenszel methodで行った。 ※有田試験及び舟形試験の解析はFisher検定で行った。
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山形県舟形町におけるNK活性の試験結果

対象 |
山形県舟形町在住の69~80歳の健常高齢者 |
人数 |
牛乳群:28名 乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルト群:29名 |
量 |
牛乳:100ml/日 乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルト:90g/日 |
摂取期間 |
8週間 |
試験期間 |
2005年3月~5月 |
佐賀県有田町におけるNK活性の試験結果

対象 |
佐賀県有田町在住の59~84歳の健常高齢者 |
人数 |
牛乳群:42名 乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルト群:43名 |
量 |
牛乳:100ml/日 乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルト:90g/日 |
摂取期間 |
12週間 |
試験期間 |
2006年11月~2007年2月 |
(出典:Makino S, et al. Br J Nutr. 2010;104(7):998-1006.)