粉ミルクはいつまであげるべき?卒乳のタイミングやフォローアップミルクについて

粉ミルクはいつまであげるべき?卒乳のタイミングやフォローアップミルクについて

赤ちゃんの粉ミルクはいつまで続けるべきか、悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、粉ミルクを卒業するタイミングや、フォローアップミルクの取り入れ方について紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

この記事の監修者

  • 氏名:繁 和泉(しげ いずみ)
    経歴:看護師、予防医学士
    病院・クリニックにて外科・小児科を中心とした臨床経験を積んだのち、予防医学士の資格を取得。現在は、医療の現場で得た知見をもとに、妊娠・出産・育児に関するコラム執筆や健康啓発活動を行う医療ライターとして活動中。二児の母としての経験も活かしながら、日々、赤ちゃんとご家族の健やかな生活を支える情報発信に取り組んでいます。

乳児用粉ミルクはいつまであげればいい?卒乳のタイミングは?

乳児用粉ミルクを卒業する「卒乳」のタイミングは、月齢だけで一律に決められるものではありません。赤ちゃん一人一人の発達や家庭の生活環境にあわせて、無理のない範囲で少しずつ進めていくことが大切です。

ここでは、卒乳のきっかけになりやすいポイントについて紹介します。

離乳食を食べ始めたタイミング

離乳食をしっかり食べるようになってきたら、乳児用粉ミルクを少しずつ減らしていく準備ができたサインです。食事のムラはあっても、主食・たんぱく質、野菜などをバランスよく摂取できるようになると、栄養の多くを食事から補えるようになります。

離乳食が1日2〜3回に安定して進み、しっかり噛んで飲み込めるようになってきたら、授乳やミルクの回数を徐々に減らしていくことが可能です。

ママ・パパが仕事に復帰するタイミング

ママ・パパの仕事復帰を機に、乳児用粉ミルクの回数やタイミングを見直す家庭も見られます。生活リズムが変化するタイミングは、卒乳へのきっかけづくりになることもあります。

仕事復帰の生活を想定すると、保育園などの集団生活では昼間のミルクをやめて、食事と水分補給に切り替えることもあるため、家庭でもそのリズムにあわせてミルクを減らしていくとスムーズです。

関連記事:ほほえみクラブ 【助産師監修】卒乳はいつから始める?時期と進め方のコツについて

乳児用粉ミルクをやめるまでの流れ

卒乳は、いきなり完全にやめるのではなく、少しずつ段階的に進めるのが基本です。赤ちゃんの食事や生活リズム、心の状態を見ながら、無理のないペースで調整していくことで、卒乳後も安心して過ごすことができます。

ここでは乳児用粉ミルクをやめるまでの流れを見ていきましょう。

少しずつ乳児用粉ミルクの量と回数を減らす

卒乳をスムーズに進めるには、急にやめるのではなく、少しずつ量と回数を減らしていくことが大切です。例えば、今まではミルクの時間だったタイミングを食事やおやつなどに置き換えると、赤ちゃんにとっても負担が少なく進められます。一つの目安として、離乳食が1日3回になったら乳児用粉ミルクは1日2回くらいにするのがよいでしょう。

また、ミルクの代わりに水や麦茶などで水分補給をおこなう習慣を取り入れると、自然な流れでミルク依存を軽減できます。減らすタイミングは、赤ちゃんの一人一人の食欲や体調にあわせて調整しましょう。

コップで飲み物を飲む練習をする

哺乳瓶からの卒業に向けて、コップで飲む練習もあわせて進めるのが理想的です。ミルクの量が減るとともに、赤ちゃんによっては水分量が不足しがちになることがあります。その際には水や麦茶などで水分量を補っていくので、コップやストローマグなどを活用し、日中から少しずつ慣れさせていくと安心です。

夜間の乳児用粉ミルクをやめる

夜間の授乳は赤ちゃんにとって眠るための儀式になっているケースもあり、やめるのに苦労する場合もあります。そんなときは、ミルク以外の方法で安心感を与え、眠るためのルーティンワークを作る工夫も大切です。

例えば、寝かしつけ前にたっぷりスキンシップをとる、絵本を読んであげる、お気に入りのぬいぐるみを抱かせるなど、赤ちゃんがリラックスできる環境を整えてみましょう。

夜中に目を覚ましても、いきなりミルクを与えるのではなく、抱っこや背中トントンなどで様子を見ることで、徐々に夜間ミルクの回数を減らしていくことに役立ちます。

赤ちゃんの様子を見ながら離乳食やミルクの量を調整する

離乳食が進んでも、赤ちゃんによっては食事のムラがあったり、思うように食べてくれなかったりする時期があります。そんなときは、ミルクの量を一時的に増やすなど、柔軟な対応が必要です。

大切なのは、「食べないから卒乳は無理」と諦めるのではなく、その時期の赤ちゃんのリズムや機嫌を見ながら、こまめに調整する姿勢です。成長のスピードには個人差があるため、焦らず見守る意識を持ちましょう。

離乳食のレシピを工夫する

乳児用粉ミルクを減らすにつれ、離乳食で栄養を補うことが重要になります。鉄分・カルシウム・ビタミンなどは不足しやすいため、主食や副菜のレパートリーに意識して取り入れましょう。

肉・魚・乳製品・大豆製品・緑黄色野菜など、栄養価の高い食材をバランスよく使うレシピを心がけると安心です。味つけや食感を工夫したり、変化をつけたりすることで、赤ちゃんが食べやすくなります。離乳食レシピについては以下のページも参考にしてみてください。

関連記事:ほほえみクラブ 離乳食レシピ

フォローアップミルクの取り入れ方

フォローアップミルクは、離乳食で不足しやすい鉄分やカルシウムなどの栄養を補うためのミルクです。ここでは、その基本的な知識と、成長段階に合わせた具体的な飲ませ方について紹介します。

フォローアップミルクとは

フォローアップミルクは、1歳頃に開始し、3歳頃まで続けることができる乳幼児用ミルクです。乳児用ミルクとは異なり、母乳の代わりではなく、離乳食で不足しがちな栄養素を補う目的で作られています。特に、不足しやすい鉄分やカルシウムなどのミネラルやビタミン、DHAなどが強化されており、赤ちゃんの発育をサポートします。

ただし、あくまで栄養の「補助的な役割」であり、離乳食の進行や発達状況に応じて活用することがポイントです。フォローアップミルクについては以下の記事も参考にしてください。

フォローアップミルクの飲ませ方

離乳食の進み具合や体調を見ながら1日に1回分から徐々に与え始めるのが適切です。目安として、1歳から1歳6ヵ月では1日400〜600ml、1歳6ヵ月から3歳では400mlが推奨されており、離乳食や食事の進み具合によって量を調整してください。
飲ませるタイミングは、食事の妨げにならないよう食後や食事の間が推奨されており、コップやストローマグでの練習が望ましいですが、慣れるまでは哺乳瓶も使用可能です。また、料理に混ぜて活用する方法もあります。

乳児用粉ミルクを卒乳する際の注意点

乳児用粉ミルクの卒乳は、赤ちゃんにとっても保護者にとっても大きな一つの転換点となるでしょう。無理なくスムーズに卒乳を進めるためには、時期や進め方に注意しながら、赤ちゃんの心身の状態をよく観察することが大切です。ここでは、卒乳時に押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

乳児用粉ミルクをやめるタイミングは発達の目安で判断する

卒乳の時期は「○ヵ月になったからやめる」といった月齢だけで決めるのではなく、赤ちゃんの発達段階に応じて判断しましょう。離乳食を1日3回しっかり食べられる、コップで水分がとれるなど、「ミルク以外の栄養源と水分補給が安定しているか」がポイントになります。

月齢だけを目安にすると、栄養不足に陥るリスクもあるため、発達状況を見ながら少しずつ段階を踏んで進めましょう。

段階的卒乳が基本

卒乳は、いきなりすべてのミルクをやめるのではなく、少しずつ授乳の回数や量を減らしていく「段階的卒乳」が望ましいです。

例えば、まずは昼間の授乳をやめ、次に朝や夜など、赤ちゃんが落ち着いて過ごせる時間帯から順に減らすと、ストレスが少なくて済みます。突然ミルクをやめると情緒不安定になったり、生活リズムが乱れたりする原因にもなるため、様子を見ながら段階的に進めましょう。

水分補給の代替手段を用意する

乳児用粉ミルクを減らしていくと、水分補給の量も自然と減ってしまいがちです。そのため、赤ちゃんが飲みやすい麦茶や水などをこまめに与え、水分不足や便秘を防ぐよう意識しましょう。卒乳後も十分な水分補給ができるよう、飲み物の種類やタイミングを工夫することがポイントです。

赤ちゃんの体調がよいときに始める

卒乳を始めるタイミングは、赤ちゃんの体調がよいときを選ぶようにしましょう。風邪をひいているときや予防接種のあとなど、体力や免疫が落ちている時期にミルクを減らすと、体調が悪化するリスクがあります。

また、引越しや保育園の入園など、生活環境が大きく変わる時期も、赤ちゃんにとってはストレスが大きいため、避けるのが賢明です。元気で気持ちが安定しているタイミングを見極めて卒乳をスタートしましょう。

夜泣きや不機嫌な状態が増える可能性がある

卒乳を試みる段階では、夜泣きや不機嫌な様子が一時的に増えることがあります。これは、ミルクによって満たされていた安心感が急になくなることで、赤ちゃんが不安を感じているためです。

そんなときは、いつもより多くスキンシップをとったり、寝かしつけの環境を見直したり、絵本を読んであげたりといった情緒を支える工夫を取り入れることをおすすめします。しばらく様子を見ながら、赤ちゃんが少しずつミルクなしでも安心できるように見守りましょう

赤ちゃんの発達にあわせて、乳児用粉ミルクを卒業しよう

乳児用粉ミルクの卒乳は、赤ちゃんの栄養や心の安定に大きく関わる大切なステップです。卒乳のタイミングや進め方に「正解」はありません。大切なのは、赤ちゃん一人一人の発達や生活リズムにあわせて、無理なく段階的に進めていくことです。

離乳食をしっかり食べられるようになってきたら、少しずつ乳児用粉ミルクの量や回数を調整していきましょう。食事のバランスや水分補給の工夫、赤ちゃんの気持ちへの寄り添いも忘れずにおこなうことが、スムーズな卒乳につながります。「うちの子はまだかな?」「夜の授乳がなかなか減らせない」など、迷う場面もあるかもしれませんが、焦らず赤ちゃんのペースを大切にしながら進めていけば大丈夫です。

一方で、離乳食の進み具合には個人差があり、食事のムラがある、好き嫌いが多い、または食べる量が少ないといった課題が見られる場合もあります。
このような状況で離乳食だけでは栄養が十分に摂れているか不安を感じる場合は、フォローアップミルクが心強いサポートとなります。

フォローアップミルクとは、離乳食が始まった赤ちゃんの栄養を補うために作られたミルクで、乳幼児期に必要な鉄分やカルシウムなどが多く含まれているのが特徴です。母乳や乳児用ミルクとは異なり、毎日の食事だけでは不足しがちな栄養をミルクで補うことが可能です。

明治ステップ」は、離乳食で不足しやすい鉄分やカルシウムなどのミネラルやビタミン、DHAなど幼児期に必要な栄養をバランスよく補え、赤ちゃんの成長をしっかりサポートできるフォローアップミルクです。日々の食事にプラスすることで、栄養補助として活用できる頼れるアイテムです。赤ちゃんの健やかな成長と、子育てに奮闘するママ・パパを、心より応援しています。

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